バツイチ子持ち、付き合うのが怖い…その不安を「覚悟」に変える物語

「もう二度と、恋なんてしない」

そう心に誓っていたはずなのに、ふとした瞬間に気になる人ができてしまった…。

 

そんな自分に戸惑っていませんか?

「シングルマザーの私が、恋愛なんてしていいのかな?」

「もしまた失敗したら、今度こそ立ち直れないかもしれない」

「この恋が、一番大切な子どもたちを傷つけることになったらどうしよう…」

 

痛いほど、その気持ちがわかります。

その不安と恐怖で、心に分厚い鎧を着込んで、一歩も前に進めなくなってしまいますよね。

はじめまして!

関東在住の38歳、つむぎと申します。

中学1年生のやんちゃな息子と、小学4年生のおませな娘。

そして、夫の連れ子である小学5年生のしっかり者の娘。

3人の子どもたちに囲まれて、今は5人家族のママをしながら、歯科衛生士としてパートで働いています。

 

実は私も、5年間のシングルマザー生活を経て、3年前に今の夫と子連れ再婚しました。

そう、今の穏やかで笑いの絶えない毎日を手に入れる前の私は、あなたと全く同じでした。

恋愛への恐怖と、子どもへの罪悪感でがんじがらめになって、幸せになることを自分から遠ざけていたんです。

 

この記事では、生活費を稼ぐために正社員として必死に働き、心も体も疲れ果てていた私が、マッチングアプリで出会った彼とどうやって向き合い、「この人と生きていきたい」という覚悟を決めることができたのか。

そのリアルな心の葛藤と、不安を乗り越えるために本当に大切にしたことを、私の実体験として包み隠さずお話しします。

 

これは、特別な誰かの話ではありません。

あなたと、そして私自身の物語です。

読み終える頃には、あなたの胸の中にある冷たくて固い不安が、未来へ踏み出すための「温かい勇気」に変わっているはずです。

バツイチ子持ちで付き合う覚悟が決まらない…私が乗り越えた「見えない5つの壁」

再婚相手も、私と同じバツイチ子持ちでした イメージ

シングルマザーの恋愛は、独身の頃とは全く違いますよね。

ただ「好き」という気持ちだけでは、どうしても前に進めない。

ブレーキとアクセルを同時に、力いっぱい踏み込んでいるような、そんな苦しさがあります。

 

私自身、今の夫とアプリで出会い、「誠実で素敵な人だな」と感じながらも、簡単には心を許すことができませんでした。

メッセージのやり取りは楽しい。

電話で話すと、もっと一緒にいたいと思う。

でも、「付き合う」という現実を前にすると、途端に足がすくんでしまうんです。

 

なぜなら、私の心の中には、自分でも気づかないうちに築き上げていた、高くて分厚い「5つの見えない壁」が、どっしりと立ちはだかっていたからです。

ここでは、私がバツイチ子持ちとして新しい恋を前にした時、付き合う覚悟を決めるまでに乗り越えなければならなかった、リアルな心の壁についてお話しします。

きっと、あなたも同じ壁の前で立ち尽くしているのではないでしょうか。

「また傷つくだけかも…」過去の離婚がブレーキになっていませんか?

最初の壁、それは「過去の傷」という名の壁です。

離婚を経験した私たちは、程度の差こそあれ、心に深い傷を負っています。

信じていた人に裏切られた悲しみ。

自分の選択が間違っていたという後悔。

「どうして私だけがこんな目に」という怒り。

それらの感情が癒えないまま心の奥底に沈殿していて、新しい恋の気配を感じると、まるで亡霊のように蘇ってくるんです。

 

「この人も、いつか私を裏切るんじゃないか」

「優しくしてくれるのは、最初だけかもしれない」

「どうせ私なんて、誰にも心から愛される資格はないんだ」

 

そんなネガティブな思考が、止まらなくなる。

相手の優しさや誠実さを、素直に受け取ることができなくなってしまうんですよね。

つむぎの体験談

今の夫と出会った当初、彼は本当にマメに連絡をくれました。

「おはよう」「おやすみ」はもちろん、仕事の合間にも「疲れてない?」なんて優しいメッセージをくれる人でした。

でも、当時の私は、その優しささえも疑ってしまっていたんです。

(こんなに優しいなんて、何か裏があるんじゃないか…)

元夫も、付き合い始めはとても優しかった。

でも、結婚して、子どもが生まれて、日常が始まった途端に、その優しさは消えていきました。

その記憶が強烈すぎて、彼からの優しい言葉が届くたびに、心のシャッターがガラガラと音を立てて閉じていくのがわかりました。

信じたいのに、信じられない。

そのジレンマが、本当に苦しかったです。

過去の経験は、私たちを守るための鎧にもなりますが、時として、新しい幸せを遠ざける重い足枷にもなってしまうのです。

「私だけ幸せになっていいの?」子供への罪悪感という名の呪い

二つ目の壁は、母親なら誰もが抱えるであろう「子どもへの罪悪感」という壁です。

これは、本当に強力な呪いだと思います。

 

離婚によって、子どもたちに寂しい思いをさせてしまった。

片親にしてしまったのは、紛れもなく私のせいだ。

その負い目が、常に心のどこかに重くのしかかっています。

 

だから、自分が恋愛をして、ウキウキしたり、幸せを感じたりすることに、無意識にブレーキをかけてしまう。

「子どもたちが我慢しているのに、母親の私が楽しんでいいはずがない」

「私の恋愛が、子どもたちの心をさらに傷つけるかもしれない」

「母親なのだから、自分の幸せより、子どもの幸せを最優先すべきだ」

そんな強迫観念に、心を支配されてしまうんです。

つむぎの体験談

彼と何度かメッセージのやり取りをした後、初めて電話で話した日のこと。

彼の声は想像以上に優しくて、話も面白くて、気づけばあっという間に2時間が経っていました。

電話を切った後、私は久しぶりに胸が高鳴っているのを感じました。

(ああ、楽しい…)

でも、その直後、寝室でスヤスヤと眠る子どもたちの顔を見たら、サーッと血の気が引くような感覚に襲われたんです。

(私、何やってるんだろう。子どもたちが寝てる間に、他の男の人とヘラヘラ笑って…)

ものすごい罪悪感でした。

後日、彼から「今度の週末、少しだけ会えませんか?」と誘われた時、私は思わず「ごめんなさい、週末は子どもたちと過ごす時間なので」と、嘘をついて断ってしまいました。

本当は、会ってみたかった。

でも、自分のために時間を使うことが、まるで「母親失格」の烙印を押されるような気がして、怖かったんです。

「本当に子供ごと愛してくれる?」相手を信じきれない心の壁

三つ目の壁。これが、私たちシングルマザーにとって、おそらく最も高くて、最も越えるのが怖い壁ではないでしょうか。

それは、「相手が、本当に子どもごと愛してくれるのか」という壁です。

 

自分のことは、好きだと言ってくれるかもしれない。

でも、血の繋がらない子どもたちまで、本当に受け入れてくれるんだろうか。

「子どもがいる」と伝えた瞬間に、彼の態度が変わったらどうしよう。

「可愛いね」と言ってくれても、それはただの社交辞令なんじゃないか。

もし付き合って、彼が子どもに冷たい態度をとったら…?

そう考えただけで、胸が張り裂けそうになりますよね。

 

相手の何気ない一言や表情に、「やっぱり子どもがいる女は重荷なのかな」と勝手に傷ついたり、疑心暗鬼になったり…。

子どもを守りたいという気持ちが強ければ強いほど、この壁は高く、険しいものになっていきます。

つむぎの体験談:涙があふれた「ありえない一言」

彼とは、何度か二人で会った後、いよいよ子どもたちに会ってもらうことになりました。

会うと決めてから当日までの1週間、私は生きた心地がしませんでした。

子どもたちが人見知りして、固まってしまったらどうしよう。

彼が、想像と違う子どもたちの姿を見て、引いてしまったらどうしよう。

不安で、夜もほとんど眠れませんでした。

 

そして当日。

公園で待ち合わせをしたのですが、私の隣にいる彼を見た瞬間、息子は私の後ろに隠れ、娘は下を向いてしまいました。

(ああ、やっぱりダメかも…)

心臓が凍りつくような気持ちでした。

でも、彼は焦りもせず、かがんで子どもたちと目線を合わせると、こう言ったんです。

「はじめまして。ママの、大切な友達です。君たちが、ママにとって一番大切な宝物なんだって、いつも話を聞いてるよ。会えてすっごく嬉しい」

その瞬間、私の目から涙がブワッとあふれ出てきました。

彼は、私を主語にするのではなく、子どもたちを主語にして話してくれた。

そして、私がどれだけ子どもたちを大切に思っているかを、代弁してくれたんです。

この人は、私のことも、子どものことも、一つの「家族」として見てくれようとしているのかもしれない。

そう思えた、忘れられない一日です。

「恋愛する時間もお金もない…」生活に追われる日々の現実

四つ目の壁は、あまりにも現実的で、どうにもならないと感じてしまう「時間とお金の壁」です。

シングルマザーの毎日は、本当に時間との戦いです。

 

私の場合、シングル時代は正社員の歯科衛生士としてフルタイムで働いていました。

朝6時に起きて、朝食と子どもたちのお弁当を作り、保育園と学童に送り届けてから、満員電車に揺られて職場へ。

息つく暇もなく働き、終業のチャイムと同時にダッシュで退勤。

お迎え、夕食の準備、お風呂、宿題のチェック、寝かしつけ…。

すべてが終わると、もう夜の11時。

そこから溜まった洗濯物を片付けて、気絶するように眠る毎日。

休日は、平日にできなかった掃除や買い出しで一日が終わる。

 

自分のための時間なんて、1分もありませんでした。

経済的にも、決して余裕はありません。

自分の服や化粧品は後回し。

美容院に行く時間もお金ももったいなくて、髪は伸び放題。

そんなボロボロの状態で、どうやって恋愛なんてできるんだろう?

デートに着ていく服もない。

デートをする時間もない。

そもそも、そんな気力も残っていない…。

「私には、恋愛を楽しむ資格すらないんだ」と、本気で思っていました。

つむぎの体験談:彼がかけてくれた魔法の言葉

彼と初めて会った日、私は何年も着ているヨレヨレのカットソーに、色褪せたジーンズという格好でした。

本当はおしゃれなんて全くできなかったのに、見栄を張って「私、カジュアルな服が好きなんです」なんて言っていました。

そんな私に、別れ際、彼が言ったんです。

「つむぎちゃん、毎日すっごく頑張ってるんだね。

仕事して、お子さんたちのことやって、自分のことなんて考える時間、全然ないでしょ。

それなのに、俺のために時間作ってくれて、本当にありがとう。

その頑張ってる姿が、俺にはキラキラして見えるよ

涙が出るかと思いました。

誰もわかってくれないと思っていた私の努力を、この人は見ていてくれた。

ボロボロの私を、否定するんじゃなくて、肯定してくれた。

この言葉だけで、それまでの疲れが全部吹き飛んでいくような気がしました。

「親や周りはなんて言うだろう…」世間体を気にしてしまう自分

そして最後の壁が、「世間体」という見えない圧力の壁です。

特に、心配してくれている両親の顔が浮かぶと、胸が苦しくなりますよね。

 

離婚の時、どれだけ心配をかけたか。

金銭的にも、精神的にも、たくさん助けてもらった。

やっと子どもたちとの生活も落ち着いて、親を安心させられるようになったのに、ここでまた新しい恋愛の話なんてしたら…。

「また男で失敗する気か!」と怒られるかもしれない。

「子どものことを考えなさい!」と泣かれるかもしれない。

 

また、親だけでなく、職場の人やママ友など、周囲の目も気になります。

「あそこのお母さん、男の人ができたらしいわよ」

そんな風に噂されたらどうしよう。

「子持ちなのに浮かれている」なんて思われたくない。

一度失敗しているという負い目が、私たちを過剰に臆病にさせてしまうのです。

つむぎの葛藤

私の両親は、私が離婚してから本当に大きな支えでした。

私が仕事で帰りが遅くなる日は、実家で子どもたちの面倒を見てくれましたし、子どもが熱を出せば、仕事を休んで駆けつけてくれたことも一度や二度ではありません。

そんな両親に、「彼氏ができました。相手もバツイチで、子どもがいます」なんて、どうやって切り出せばいいのか。

想像しただけで、心臓がバクバクしました。

親を悲しませたくない。でも、自分の幸せも諦めたくない。

その板挟みで、彼との関係を進めることに、ずっと躊躇していました。

…どうでしょうか。

この5つの壁、あなたも感じていませんか?

これらの壁は、一つひとつが本当に高くて、重い。

「もう無理だ」と諦めてしまう気持ち、痛いほどわかります。

でも、どうか、ここでページを閉じないでください。

次の章では、この絶望的な壁だらけの状況から、私がどうやって一歩を踏み出し、最高の幸せを掴むことができたのか、その具体的な道のりをお話しします。

バツイチ子持ちの私が「付き合う覚悟」を決めて最高の幸せを掴んだ物語

再婚相手も、私と同じバツイチ子持ちでした イメージ

「見えない5つの壁」を前に、私は何度も諦めようと思いました。

「私にはやっぱり、恋愛なんて無理なんだ」と。

彼からの優しいメッセージに、わざと既読スルーしてしまったこともありました。

もうこれ以上、期待して傷つきたくなかったから。

 

でも、今の夫は、そんな私の固く閉ざした心の扉を、根気強く、そしてとても優しくノックし続けてくれました。

そして、彼と真剣に向き合う中で、私がずっと勘違いしていた「覚悟」の本当の意味に、気づかされたんです。

覚悟とは、鎧を着込んで、一人で戦いに挑むことではありませんでした。

ここからは、不安だらけの毎日から私が抜け出し、彼と付き合う覚悟を決め、最高の幸せを手に入れるまでの、具体的な物語をお話しします。

これは、私が実際に踏んだステップです。

きっと、あなたのための道標になるはずです。

ステップ1:「幸せになってもいい」自分自身に許可を出すことから始めよう

すべての始まりは、ここでした。

それは、「私自身が、幸せになることを、自分に許可してあげる」ということです。

 

私たちは、無意識のうちに「母親は自己犠牲をするべき」という呪縛に囚われています。

自分のことは後回し。

子どものために、我慢するのが当たり前。

でも、ある時、彼に言われたんです。

「つむぎちゃんは、お子さんたちにどんな大人になってほしい?」と。

 

私は答えました。

「毎日笑って、自分の人生を心から楽しんでほしい」と。

すると彼は、優しくこう言いました。

「だったら、まずつむぎちゃんが、毎日笑って、自分の人生を楽しまなきゃ。

ママが毎日我慢して、つらそうな顔をしていたら、子どもは『幸せになることって、いけないことなのかな』って思っちゃうよ。

ママの笑顔が、子どもにとって一番の栄養なんだから」

 

頭をガツンと殴られたような衝撃でした。

私は、子どものためと思って、自分を犠牲にしてきました。

でも、それは逆に、子どもたちに「我慢すること」を教えていたのかもしれない。

私が心から笑うことこそが、子どもたちの未来を明るく照らす太陽になるんだ。

そう気づいた時、ずっと私を縛り付けていた罪悪感の鎖が、少しだけ軽くなった気がしました。

つむぎからの提案:1日5分の「わがままタイム」

いきなり大きなことをする必要はありません。

まずは1日たった5分でいいので、「自分のためだけ」の時間を作ってみませんか?

  • 子どもが寝た後、好きな香りのハーブティーを淹れて、ゆっくり飲む。
  • お風呂で、ちょっとだけ良い香りの入浴剤を使ってみる。
  • 通勤中に、好きな音楽を1曲だけ、歌詞を噛み締めながら聴く。

なんでもいいんです。

「これは、私のための時間」と意識することが大切。

自分を大切にする小さな習慣が、「私、幸せになってもいいんだ」という自己肯定感を、少しずつ育ててくれます。

もし、子育てや生活のストレスで心が本当に疲れてしまったら、専門の相談窓口に頼ることも、自分を大切にするための一つの方法です。

厚生労働省の「こころの耳」のようなサイトでは、働く人のメンタルヘルスに関する情報提供や、相談窓口の案内をしています。一人で抱え込まないでくださいね。

ステップ2:彼が「本物」か見極める。私が夫に感じた3つのサイン

自分を大切にする許可が出せたら、次は相手をしっかりと見極めるステップです。

もう二度と失敗したくないからこそ、ここは慎重になるべき。

私が、マッチングアプリで出会った彼を「この人は本物かもしれない」と感じたのには、3つの明確なサインがありました。

甘い言葉やカッコよさではありません。

彼の「行動」に、そのサインは隠されていました。

【誠実な男性を見抜く3つのチェックポイント】

1.子供の話を「真剣に」「具体的に」聞いてくれるか?

「お子さん、可愛いですね」と言うのは簡単です。

でも、本気で向き合おうとしてくれる人は、そこからさらに踏み込んできます。

「息子くんは、今何にハマってるの?」

「娘さんは、どんな時に笑うの?」

「好きな食べ物、嫌いな食べ物は?」

私の夫は、付き合う前から、まるで自分の子どものことを知ろうとするかのように、熱心に質問してくれました。

そして、私が話した内容を、ちゃんと覚えていてくれるんです。

「そういえば、息子くん、今度サッカーの試合なんだよね?頑張ってほしいな」なんて、次の会話で自然に出てくる。

この姿勢に、彼の誠実さを感じました。

2.こちらのペースを尊重し、決して急かさないか?

シングルマザーの生活は、予測不能なことばかり。

子どもの急な発熱で、デートをドタキャンしなければならないこともあります。

そんな時、相手の本性が出ます。

「そっか、大変だね。気にしないで。お子さんのそばにいてあげて」

心からこう言ってくれるか。

それとも、少しでもがっかりした態度や、「また?」という雰囲気を出してくるか。

私の夫は、私が「子どもを優先すること」を、当たり前のこととして尊重してくれました。

「会いたい」という自分の気持ちよりも、私たちの生活を第一に考えてくれるその姿勢が、何よりの安心感に繋がりました。

3.未来の話を、ごまかさずに具体的にしてくれるか?

私たちにとって、恋愛の先には「生活」があります。

だから、「楽しければいい」という曖昧な関係では、前に進めません。

彼が、将来のことをどう考えているのか。

「いつか、みんなで一緒に暮らせたら、どんな家がいいかな」

「俺の仕事のこと、つむぎちゃんの仕事のこと、どうやってバランス取っていくのが一番いいかな」

彼は、決して夢物語ではなく、現実的な未来の話を、真剣な顔でしてくれました。

もちろん、彼自身にも小学生の娘さんがいたので、子連れ再婚の大変さを理解していたことも大きかったと思います。

その真摯な態度が、私に「この人となら、未来を考えられるかもしれない」と思わせてくれたのです。

ステップ3:子供の心を傷つけない。私が一番大切にした「伝え方」と「時間」

彼への信頼が深まってきたら、次はいよいよ、子どもたちとの関係づくりです。

ここは、絶対に焦ってはいけない、最もデリケートなステップです。

私が心に誓っていたのは、「子どもの気持ちを100%最優先する」ということでした。

まず、彼を子どもたちに紹介したのは、彼と出会ってから3ヶ月が経った頃。

それまでは、子どもたちが寝た後に電話をしたり、平日の昼間に一度だけランチをしたりと、子どもたちの生活リズムを崩さない範囲で会っていました。

そして、紹介する時も、絶対に「新しいパパ」というような言い方はしませんでした。

私が子どもたちに伝えたのは、

「ママに、大切な友達ができたんだ。今度、みんなで一緒に公園で遊んでみない?」

という言葉だけです。

子どもたちにとっては、あくまで「ママの友達」。

その立ち位置から、ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて、彼という人間に慣れていってもらうことを選びました。

最初のうちは、みんなで公園で遊ぶだけ。

次は、一緒にご飯を食べる。

少しずつ、一緒に過ごす時間を長くしていく。

その過程で、私が徹底していたのは、「子どもたちの小さな変化を見逃さないこと」「彼と情報を共有すること」でした。

「今日、息子が彼のこと『〇〇さん』って初めて名前で呼んだんだよ」

「娘がね、彼に会った日の夜、『また遊びたいな』ってポツリと言ってた」

そんな小さなポジティブな変化を、すぐに彼に伝えました。

逆に、「今日はちょっと、息子が緊張してたみたい」というようなネガティブな情報も、正直に共有しました。

二人で子どもたちの心を丁寧に見つめ続けたことが、今の家族の土台になっています。

子連れ再婚家庭、いわゆるステップファミリーの形成は、簡単なことではありません。

実際に、厚生労働省の調査などを見ても、ひとり親家庭の状況や課題は様々であることがわかります。

だからこそ、私たちは時間をかけることを何よりも大切にしました。

ステップ4:「覚悟」とは完璧じゃない自分たちを受け入れる勇気だった

彼と出会って、半年が経った頃。

子どもたちも彼にすっかり懐き、彼と彼の娘さんも交えて、5人で出かけることも増えてきました。

周りから見れば、私たちはもうすっかり「家族」のように見えたかもしれません。

でも、私の心の中には、まだ最後の壁が残っていました。

「付き合う」という、明確な一線を越えることへの恐怖です。

もし付き合って、何か問題が起きたら?

思春期の子どもたちの問題、元パートナーとの問題、お金の問題…。

考えればキリがないほどの不安要素が、私の最後の勇気を奪っていました。

そんな私の気持ちを見透かしたように、ある夜、彼が真剣な顔で言いました。

「つむぎちゃんが、何に不安を感じているか、俺にもわかるよ。

子連れ同士の再婚なんて、きっと簡単なことじゃない。

これから、俺たちの想像もしていないような、大変なことがたくさん起こると思う。

でもさ、俺はもう、つむぎちゃんや子どもたちがいない人生なんて考えられないんだ。

だから、お願いがある。

つむぎちゃんと、息子くんと、娘ちゃんのことを、俺が一生かけて守る。

だから、これから起こる全てのことを、俺と一緒に乗り越えるチャンスをくれないかな?

私は、この言葉を聞いて、ハッとしました。

そうだ、「覚悟」って、こういうことだったんだ、と。

私はずっと、勘違いしていました。

「覚悟」とは、すべての問題を事前に解決して、完璧な状態でスタートすることだと思っていた。

でも、違ったんです。

本当の「覚悟」とは、未来に何が起こるかわからない、完璧じゃない自分たちを受け入れた上で、「それでも、この人と一緒に乗り越えていきたい」と、手を取り合う勇気のことだったんです。

一人で全ての責任を背負う必要なんて、なかった。

これからは、この人が隣で、一緒に荷物を持ってくれるんだ。

そう思えた時、私の心にあった最後の壁が、音を立てて崩れ落ちていきました。

私は、涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、彼に言いました。

「私、全然完璧な母親じゃないし、きっとこれからもたくさん迷惑かけると思う。

それでもいいなら、よろしくお願いします」と。

それが、私たちの本当の始まりの日でした。

まとめ:バツイチ子持ちで付き合う覚悟の先には、想像以上の未来が待っている

再婚相手も、私と同じバツイチ子持ちでした イメージ

彼と付き合うと決めてから、3年半。

私たちは3年前に家族になり、今、私の隣には、当たり前のように夫がいます。

リビングからは、3人の子どもたちの、賑やかすぎるくらいの笑い声が聞こえてきます。

息子と夫がゲームで盛り上がり、娘たち二人が、内緒話に花を咲かせている。

夕食の後、夫と二人でコーヒーを飲みながら、「今日、学校でこんなことがあってさ」と他愛もない話をする時間。

それは、5年前、正社員として働きながら、たった一人で暗闇の中を走り続けていた私には、想像もできなかった光景です。

あの時、もし私が「怖い」という気持ちに負けて、彼からの連絡を無視し続けていたら。

「私なんかが幸せになれるはずない」と、自分の心に蓋をし続けていたら。

この温かくて、愛おしい毎日は、決して手に入りませんでした。

今、この記事を読んでくれているあなたも、きっと昔の私と同じように、たくさんの壁の前で立ち尽くしているんだと思います。

バツイチ子持ちの恋愛は、怖いですよね。

新しい人と付き合うには、とてつもないエネルギーと覚悟がいるように感じますよね。

でも、忘れないでください。

あなたが今感じている「怖い」という気持ちは、あなたが無責任だからではありません。

むしろ逆です。

あなたが、愛する子どもたちのこと、そして目の前にいる相手のことを、誰よりも真剣に、誠実に考えようとしている、何よりの証拠なんです。

その優しさと、誠実さがあれば、あなたはもう大丈夫。

どうか、自分を信じて。

そして、あなたの隣で、一緒に壁を乗り越えようとしてくれる、大切な人を信じてください。

覚悟の先に待っているのは、あなたが想像しているよりも、ずっとずっと温かくて、輝かしい未来です。

あなたの勇気ある一歩を、心から、心から応援しています。